寺尾朱織
ISBN978-4-89757-922-1
四六版・並製・180頁
現在の日本の農業は、F1と呼ばれる品種改良した種が主流になっている。
病気や虫に強くて生産性が良く、育てやすいなどさまざまな特徴があるという。ただ、その実から採れた種を翌年蒔いても、同じ品質のものはほとんど生産することが出来ない。F1とは、雑種第一代と呼ばれ、その一世代しか性質が維持されないよう人為的に操作された種なのだ。
言い変えれば、種苗業者から購入出来る種の野菜しか食べられなくなってきているのだ!!
目次
第一章 種について
在来野菜の第一人者である野口勲氏に聞く
始まりは種からだと思う 12
そもそも、種はどこから来たのだろう? 14
F1品種(一代交配種)について 21
どうしてF1品種が効率よい流通の手段といえるのだろう 26
第二章 種を守る活動
人と人を繋ぐことで守る
いわきリエゾンオフィス協同組合、伝統農産物アーカイブ事業の取り組み
やっと出会った宝物 48
種を通して人の思いを繋ぐ 二代目調査員 小泉雄紀夫さん 61
いわきリエゾンオフィス(ILO)代表理事 佐藤直美さん 69
民間主体の「いわき昔野菜保存会」発足 75
自分は「デザイナーとして何が出来るだろうか」 相馬典子さん 81
アーカイブ事業撤退 0.1グラムにも満たない種の育み 91
第三章 いわきの種の守り方
料理を通して守る「Hagi フランス料理店」オーナーシェフ 萩春朋さん
なぜ、一日一組限定なのか 99
福島県の町も漁業も、甚大な被害を受け、シェフの店からも客足が途絶えた 102
自分が出来ること、自分がすべきこと 107
第四章 種を受け継ぐ人たち
在来野菜とのかかわり方
黒ジュウネンの生産者 新妻ゆき子さん 125
出荷規制 134
サトマメの生産者 蛭田チイさん 146
いわき昔野菜保存会副会長 川内一浩さん 162
おわりに 172
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