著者の小川渉は、天保十四年に會津日新館房で生まれた。幼くして日新館に学び、学芸に優れ、しばしば賞せられた。明治八年、北斗新聞社(後青森新報)を起こし、明治二十二年、会津に帰り会津藩教育考の編著に着手。その他、斗南樓叢書・考古集・しぐれ艸紙など著書甚だ多い。 明治三十二年青森に移り、教育考を脱稿する。明治四十年宿阿のため逝く。年六十五。 「この志ぐれ草紙は旧藩時代から明治期にわたる逸話や見聞・伝聞等を記したものである。読み物としも面白く、また歴史裏話としても興味深く、会津史研究の一書として江湖に推薦する。」 会津若松市立図書館 館長 野口 信一