猪狩三郎著 四六判・上製・240頁 あれが阿多多羅山 あの光るのが阿武隈川・・・(「樹下の二人」より) 阿多多羅山の山の上に 毎日出てゐる青い空が 智恵子のほんとの空だといふ。(「あどけない話」より) 故郷である「安達太良山」のパノラマを眺める時だけが智恵子にとって心身を癒すことの出来る瞬間だった。 智恵子のいう本当の空とはどんな空か? 多くの文人たちがその絶景に魅せられ、多くの作品に残された「安達太良山」。 ”アダタラマニア”である作者が神髄に迫った究極の安達太良文学。