歴春ふくしま文庫44 城下町の民俗 國分早苗・野沢謙治著
-武士の暮らしにみるハレとケ-
日本の伝統的といわれる都市や町のほとんどが城下町の系譜につらなる。その伝統的都市で近世の都市文化をはぐくんできたのは、城下町を構成していた町人と武士であった。町人の文化は近代以降継続されたが、武士の文化は断絶してしまった。殊に民俗学が対象とする暮らしの総体としての武士の民俗文化は、変貌し消滅することになった。近世の都市文化の豊かさの一端を武士が担ったことはまちがいない。あるいは武士と町人のダイナミックな関係がその豊かさをかもしだしたと言えるかもしれない。このようなダイナミズムの中で武士がどのような役割を果たしたのであろうか。
-あとがきより-
目次
第一部 都市民俗学と城下町
第二部 残存としての武士の民俗
第三部 武士の暮らし
第四部 武士の年中行事
第五部 城下町の祭り
第六部 「家世実記」にみる人生儀礼
第七部 城下町の化物屋敷伝承
B6判 170頁 1,260円
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